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イーグレット・オフィス
野生動物の保護と管理
野生動物の生態調査・研究 野生動物の行動をより的確に捉えるためには、その生態を長期にわたって調査研究する必要があります。 イーグレット・オフィスには、猛禽類をはじめとしたさまざまな野生動物の生態に精通したスタッフが常駐し 続きを読む…
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野生動物の生態調査・研究 野生動物の行動をより的確に捉えるためには、その生態を長期にわたって調査研究する必要があります。 イーグレット・オフィスには、猛禽類をはじめとしたさまざまな野生動物の生態に精通したスタッフが常駐し 続きを読む…
サーナは親ワシの元で元気に暮らしています。あと2ヶ月ほどでサーナは親ワシと別れ、独り立ちして伊吹山を離れて行きます。
11月23、24日、伊吹山ドライブウェイの最終営業日に、皆さんと共にサーナの独り立ちを応援し見送りたいと思います。
サーナを間近に観察できる最後のチャンスです。
両日とも、僕は朝からドライブウェイのいつもの観察会の開催場所(No.38退避所)で観察しています。場合によっては1つ手前の北尾根入口(No.37退避所)に変更になります。
参加には申し込みは必要ありません。各自が自由に立ち寄って一緒にサーナを応援しましょう。
電車利用の方は、最寄駅から友人知人の車に便乗などでお越しください。
当日はドライブウェイが大変混雑する可能性があります。
山はかなり寒くなってきています。防寒は十分にして来てください。
皆様とお会いできるのを楽しみにしています。
サーナは目につく動くものが気になって仕方がない。捕まえられるかどうかは別として、思わず襲いかかってみたくなるようだ。
まだまだ獲物を捕えるだけの技術はなさそうだ。親ワシにとっても狩りはなかなか大変だ。狩りに成功するよりも失敗するほうが多い。
サーナも親ワシも見つけた獲物に襲いかかることを繰り返している。
10月19日が雨のために、翌20日に観察会を開催した。朝から晴れ渡って伊吹山がすっきりと見えている。
参加者36名を乗せて、バスは伊吹山ドライブウェイを走り、山頂駐車場でトイレに寄ったあと9:40に観察地点に到着し観察開始。
風は少ないが晴れ渡って視界は良好だ。サーナの登場に期待が膨らむ。午前中は順光で観察できるので、できるだけ早く姿を見せてほしい。僕は「イヌワシは近くにいると信じて探索してください」と伝えた。そのように考えるかどうかでイヌワシの発見には大きく影響するからだ。参加者全員が真剣にイヌワシを探す。
10:43、観察開始から1時間後にサーナが旋回しながら姿を現した。青空をバックにサーナは白斑を輝かせてゆっくりと旋回上昇後、滑翔して尾根裏に消えた。1分足らずだが、皆が観察できるだけの余裕があった。
次の出現は10:49、ゆっくりと旋回後、滑翔してこちらに近づいて来る。我々の背後の丘の後ろに飛び去った。
次はどこから出て来るだろうか?
11:10、先ほど消えたところとは正反対の西側1.2kmほど離れた木に止まっているサーナを発見。我々の視界の範囲を通過して行ったのは間違いない。36人の目を掻い潜って止まり場に移動していたのだ。
我々は視界があれば見えていると思いがちだが、見えていないことは多い。イヌワシの目ならば見逃すことはないかもしれない。
数分後、サーナは飛び立ち急降下、300mほど下の沢に飛び込んだ。獲物を狙ったのだろうか?止まっていた場所からその沢は見えないはずだ。
30分ほど経って、サーナが飛び込んだ沢付近から母ワシが出現した。歩人倶楽部さんの写真からそのうが大きく膨れているのが分かった。一連の行動から推測できることは、「母ワシが獲物を持って沢部に入り、母ワシを追ってサーナがそこへ飛び込んだ。サーナは獲物を食べ、母ワシはそれを見届けて飛び去った」というストーリーだ。
このストーリーを補強するためには、次にサーナが出てきた時にそのうが膨れている必要がある。
1時間後、サーナが出て来た。すぐに見えなくなってそのうの確認はできなかった。13:42、サーナがゆったりと旋回上昇。そのうが中くらいに膨れている。やはり獲物を食べていた。予想したストーリー通りの展開だった。
今日の出現は、サーナは8回、母ワシ1回、父母不明が1回だった。
サーナは観察会を終了してバスに乗り込む時にも、枯れ木に止まって我々を見送ってくれていた。
サーナの第一発見者に送る「ファーストディスカバリー賞」は、歩人倶楽部さんでした。歩人倶楽部さんはいつも観察会に駆けつけてスタッフとして参加していただいています。賞はスタッフを除くことにしていますが、今回は特別にこれまでの感謝の意を込めて、第一発見者としてイヌワシ額入り写真をお贈りしました。
今年4回実施した観察会に全て参加いただいた、中辻 喜久子さん、松山 真由美さん、南 陽子さんの3名が皆勤賞(写真入りクリアファイル5種類セット)でした。
今回は特別に、歩人倶楽部さんから鳥海山のイヌワシ未来館のグッズを観察会の景品としていただきましたので、重要な発見をした2人に景品を贈りました。
サーナへの獲物受け渡しの手掛かりとなった母ワシ発見者の青柳 咲絵子さんと、サーナのそのうが膨れていることの確認に繋がる飛行を発見された柴田 果菜さんに、歩人倶楽部さんから可愛いイヌワシイラスト入りの手提げが手渡されました。
今年のイーグレット主催の観察会はこれが最終回でした。
11月には米原市主催でイーグレットと協働で「伊吹山イヌワシ観察会」を開催します。参加費2,000円です。
募集15名で今回は少人数開催です。今のところ若干名の空きがあります。
来年ドライブウェイ開通後に、どのような形になるかは決まっていませんが、観察会は継続する予定です。
10月19日が雨の予報なので、翌日の20日に観察会を開催します。
19日だけに参加予定だった方には申し訳ありません。
20日は急激に気温が下がり、山頂では最低気温4℃、最高気温14℃の予報です。今朝予報を見た時には最低気温1℃だったのでびっくりしましたが少し高めの予報になりました。
寒さに体がまだ慣れていないので、暖かすぎると思うくらいに防寒準備してお越しください。
サーナの今日のご馳走はタヌキだった。
ドライブウェイに近い山の斜面でタヌキが死んでいるのを両親ワシが見つけた。僕のすぐ近くに突然急降下してきたワシにびっくりさせられた。
死んでいるものにはいつも少し警戒する。今回も母ワシは何度か急降下で接近したが、掴みかかることはなかった。そのうちに父ワシが急降下して一気に持ち去った。
獲物を捕らえた個体が最初に食べる。父ワシが食べ、20分後にサーナがその獲物の分け前にありついた。母ワシまでの獲物が残るかは分からない。
2時間ほど経ってサーナに動きがあった。母ワシが獲物を食べる時が来たのかもしれなかった。
「第8回伊吹山イヌワシ観察会」はたくさんの皆さんの参加申し込みをいただき間もなく定員となります。
定員になりましたら受付は終了します。
予備日の20日には少し空きがあります。
イーグレットオフィス主催での観察会は今回10月で終了です。
次回11月は米原市主催で「里山LIFEアカデミー in 伊吹山」でイヌワシ観察会を開催する予定です。
「第8回伊吹山のイヌワシ観察会」を2024年10月19日(土)に開催します。
19日が雨天の場合に備えて20日を予備日とします。
両日とも悪天候が予想される場合、10月の観察会は中止となることがあります。
イヌワシの幼鳥サーナは、徐々に行動範囲を広げながら元気に飛び回っています。
伊吹山の山頂部の紅葉は10月下旬頃です。
紅葉をバックにサーナが観察できることを期待しています。
多くの皆様の参加をお待ちしています。
第8回伊吹山イヌワシ観察会案内
イヌワシ観察会案内
参加申込書
参加申込書(Excel)
参加申込書(PDF)
イーグレットオフィス主催の無料での観察会は10月が最後です。
11月は米原市のイベントとして観察会を開催予定です。
サーナは徐々に飛行技術を高め、止まる時も安定してきた。親ワシと比べるとまだまだ未熟だが、見た目にはそれほど大きな違いは感じない。
翼と尾羽の白斑が映えて華麗な飛行だ。
9月21と22日の両日とも、雨で霧もかかりそうなので今回の観察会は中止としました。
参加予定だった皆さんには申し訳ないですが、天候には勝てません。観察会と天気の巡り合わせが毎回異様に悪いです。
今回中止でリフレッシュして来月から仕切り直したいと思います。
「第7回伊吹山イヌワシ観察会」は幻となりましたが、次回の第8回こそはサーナに会いましょう。
第8回は10月19、20日になりそうです。来週半ばに案内を出します。
またお会いしましょう。
ニホンジカは雄だけに角がある。年齢を重ねるほどに立派になる角が、毎年落ちて新たに伸びてくる。4月中旬頃に角を落とす個体が多いが、個体によって早いものや遅いものがいる。早い個体は3月末に角を落としていた。
角が落ちるとすぐに新しい袋角と呼ばれる表皮に包まれた柔らかい角が伸び始める。4ヶ月ほどかけて袋角が成長する。8月末から9月初め頃に表皮が剥がれて骨化した硬い角が現れる。
9月になるとニホンジカの繁殖期に入る。雄ジカたちは雌ジカを求めて争うことになる。この時期には雄ジカは他の雄ジカが近くにいることをかなり気にするようになる。大抵の場合は戦わずに自分の強さをアピールして勝敗が決まる。強さイコール角の大きさのようなのだ。大体は角が大きいほうが勝つ。同年齢で角の大きさがほぼ同じの場合は、お互いの角を絡めて押し合って勝負している。
9月には新しく大きくなった角が骨化して頑丈になるのも、雌をめぐる戦いに勝つためだ。
9月に入り、雄ジカが雌ジカを獲得するために忙しく活動する季節になった。雄ジカの「ピー〜」と鳴くラッティングコールが山に響き渡る。